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世界食糧計画(WFP)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)等のほか国際赤十字・赤新月社連盟や各国政府、NGO等が様々な救援活動を展開しており、国連人道問題局(DHA)は、被災状況及び必要物資の状況に関する情報の収集、援助国・援助機関への情報提供、国連諸機関の緊急人道援助の調整等を行っている。
関係機関が緊急援助活動を展開する中で、広島が新たに緊急援助活動を通じた国際貢献を行っていくためには、ノウハウや実績を有する専門機関等と連携して、より効果的な緊急援助活動をめざしていく必要がある。
こうした観点から、広島では、国連諸機関の緊急人道援助に関する調整役として、数々のノウハウを有するDHAや医療面での緊急救援活動を活発に実施しているAMDA(アジア医師連絡協議会、本部:岡山市)、さらには、我が国の国際緊急援助を行っている国際協力事業団(JICA)等との連携を探っているところである。
とりわけ、国連機関との連携については、DHAとの連携について検討を行っていくこととしている。

 

6 今後の展望
世界各地で発生している台風、洪水、噴火、地震、津波等の大規模な自然災害等の被災地に対して、迅速な援助活動を行うことは、国際社会における重要な責務である。
一方、世界の相互依存関係が深まり、地方と地方が直接に交流、協力するようになった今日、地方の国際社会における役割は、ますます多様化してきている。
こうした中で、広島は、これまでの諸外国との交流や協力実績を発展させ、国際緊急援助活動を通じた国際貢献に取り組もうとしている。
現在の国際緊急援助活動は、国連機関を中心に、各国政府、NGO等の様々なルートで展開されているが、こうした活動を、より効率的、効果的に展開していくことが望まれている。
このためには、国連機関はもとより、各国政府、NGO等のそれぞれの横断的なネットワークづくりを進めるとともに、国連機関、政府、NGO等の縦のネットワークを構築していくことが必要である。
広島は、既存の国際緊急援助体制の中に新たに加わり、例えば、政府とNGOとの連携の緊密化、関係機関相互のネットワークづくりのための取り組み等、より効率的、効果的な緊急援助活動が展開できるよう、役割を果たしていきたいと考えている。

 

 

 

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